プロセス上の位置づけ
本サービスは、フィルターの清浄度を定量的に評価する受入試験です。受入検査でメーカー仕様と比較できる数値が必要なとき、あるいは歩留まり低下の原因としてフィルターが汚染源になっていないかを調べたいときにご依頼ください。有機物溶出、金属溶出、粒子脱落の3つの観点を一度にカバーします。どれか1つでも欠けると、調査に確認漏れの死角が残ってしまいます。
主な特長
3つの観点の試験を並行して実施します。イソプロピルアルコール(IPA)浸漬試験では、ガスクロマトグラフ質量分析(GC-MS)と不揮発性残留物(NVR)で有機物の溶出を評価します。塩酸による酸抽出試験では、誘導結合プラズマ質量分析(ICP-MS/ICP-QQQ、検出下限1 pptレベル、一般的な30種の金属に加えてケイ素、ホウ素、硫黄、リンも測定可能)で微量金属を検出します。粒子脱落は、微分型電気移動度分析器-凝縮粒子計数器(DMA-CPC)で測定します。
データは濃度だけでなく、フィルター1本(device)あたりの値で出力します。この違いは重要です。同じppb濃度でも、10"と20"のフィルターでは溶け出す絶対量が2倍異なるため、濃度だけを見ると比較を誤ります。device単位に換算することで、メーカーの清浄度仕様や受入基準と直接照合できます。
溶出条件は、フォトレジスト、酸・アルカリ、溶剤など実際に使用する薬液に合わせてカスタマイズでき、ラボの標準条件ではなく実プロセスに近い結果が得られます。
選定のポイント
隣接する2つのサービスとの違いは、問うているのが「清浄かどうか」なのか「捕捉できるかどうか」なのかにあります。
| サービス | 答える問い | 出力単位 |
|---|---|---|
| フィルター清浄度試験(本サービス) | このフィルターからどれだけのものが溶け出すか? | フィルター1本(device)あたり |
| 溶出物・抽出物試験 | この材料を自社の薬液に浸すと「何が」溶け出すか? | 溶出化学種ごとの同定と定量 |
| フィルター捕捉性能試験 | このフィルターは何を捕捉でき、どれくらい持つか? | 捕捉効率、LRV、汚れ保持容量 |
使用と交換
試料送付時のお願い:試験対象のフィルターカートリッジの現物をご提供ください。未使用の新品と使用後のフィルターをペアでお送りいただくと、意味のある比較ができます。フィルターのサイズと公称長さ(例:10")をご記入ください。報告書でdevice単位に換算する際に必要な情報です。また、カスタム抽出条件の要否を判断するため、実際のプロセス薬液もご提供ください。納期はご依頼項目と試料数に応じてお見積もり時に確認いたします。試料は案件終了後1か月間保管した後、廃棄します。

