プロセス上の位置づけ
親水性PVDFカプセルは、「わずかな力価の損失でも高くつく」液を対象としています。ワクチン、生物試薬、無菌点眼剤、抗生物質の最終除菌ろ過です。同じ除菌グレードでもPVDFを選ぶのは、通常は流量のためではなく、液中の有効成分がメンブレンに吸着されるのをできるだけ防ぐためです。
主な特長
親水化処理したPVDFは、各種メンブレン材の中でもタンパク吸着率が最も低い部類に入り、溶出物のバックグラウンドも低く抑えられています。この2点は、高価な生物製剤では直接コストに響きます。吸着された有効成分は回収できず、溶出した成分は逆に液を汚染するからです。
PVDFは多くの親水性メンブレンより酸化性薬液への耐性に優れ、過酸化水素や次亜塩素酸による消毒後も流量を維持できるため、定期的な化学消毒が必要なラインに適しています。二層膜の長寿命オプションもあります。同じ外形のまま有効ろ過面積を2層に分けることで寿命を延ばしますが、その代わりに初期の圧力損失はやや高くなります。
選定のポイント
同じ除菌グレードの中で、PVDFとほかの2つの選択肢の役割分担は次のとおりです。
| 製品 | 形式 | ろ過精度範囲 | 選ぶ理由 |
|---|---|---|---|
| 親水性PVDFカプセル(本製品) | 一体型ディスポーザブル、ハウジング不要 | 0.1 – 0.65 µm | タンパク吸着が最も低く、酸化性薬液による消毒に耐える。二層膜の長寿命タイプもあり |
| 高非対称PESカプセル | 一体型ディスポーザブル、ハウジング不要 | 0.05 – 5 µm | 初期流量と汚れ保持容量を優先、ろ過精度の選択肢が最も広い |
| PVDF微多孔プリーツフィルターカートリッジ | カートリッジ型、ハウジングとの組み合わせが必要 | 0.1 – 1.0 µm | 固定ラインで処理量が多く、1本あたりの消耗品コストを優先 |
使用と交換
親水化処理したメンブレンは注射用水や緩衝液で濡らすことができ、アルコールは不要です。酸化性の液向けには、サポート層とシェルをPVDF製に変更することもできます。これは標準品ではなく、お見積もり依頼時に明記していただくオプションです。オートクレーブ滅菌の累積回数はPPシェルによって制限されるため、仕様表に従って管理してください。

