プロセス上の位置づけ
正荷電改質Nylon 66カプセルが対象とするのは、「孔径よりも小さい」汚染です。製薬用水のエンドトキシン、無菌製剤のパイロジェン、そして一般的なメンブレンでは捕捉できないコロイドや超微細粒子がこれにあたります。ファイナルフィルターを除菌グレードにしてもエンドトキシンが基準を超えている場合に、補うべきなのがこの工程です。
主な特長
このカプセルは2つのメカニズムを併用します。孔径による機械的な捕捉と、膜面の正荷電による負に帯電した不純物の静電吸着です。そのため、エンドトキシン、コロイド、孔径より小さい超微細粒子も捕捉できます。これは同じ孔径の中性メンブレンにはできないことです。
表示されているろ過精度は機械的な捕捉のみに基づくもので、静電吸着の寄与は含まれていません。選定時に最も誤解されやすい点です。「メカニズムが1つ多い」からといって粗いろ過精度を選んではいけません。必要な孔径は変わらず、静電吸着はその上に加わる追加の層です。
選定のポイント
同シリーズの中性Nylon 66カプセルと並べて比較すると、違いが明確になります。
| 項目 | 正荷電改質Nylon 66(本製品) | 親水性Nylon 66 |
|---|---|---|
| 捕捉メカニズム | 機械的捕捉 + 静電吸着 | 機械的捕捉 |
| ろ過精度範囲 | 0.2 – 1.2 µm | 0.1 – 1.2 µm |
| 交換の基準 | 累積処理量 | 差圧 |
| 検証方法 | バブルポイント + エンドトキシンチャレンジ試験 | バブルポイント + 細菌捕捉 |
| 選定の目安 | 脱パイロジェン、エンドトキシン除去、コロイド除去 | 一般的な無菌ろ過と溶剤系の処理液 |
使用と交換
親水性が高いため、水溶液でそのまま湿潤でき、アルコールによるプレウェットは不要です。静電吸着の効果は処理液のイオン強度とpHの影響を受けます。高塩濃度の処理液では膜面の電荷が遮蔽されて吸着力が低下するため、導入前には純水ではなく実際の処理液で確認することをおすすめします。吸着容量は膜面積に比例するため、脱パイロジェン用途で選定する際は余裕を持たせてください。

