プロセス上の位置づけ
硬質配管では対応できない箇所にはホースを使います。振動を吸収したいポンプや機器の入出口、据え付け誤差のある機器間、動かす必要がある薬液の受け入れなどです。一般的なゴムや樹脂のホース内層は強酸・強アルカリで劣化し、溶出が生じます。このシリーズは内層をPFAにすることで、ホース区間の接液材質をPFAライニング継手やバルブとそろえています。
2つのタイプは出発点が異なります。Rタイプは電子グレードの薬液用ホースで、半導体CDSやディスプレイ・太陽電池ウェットプロセスの薬液移送向けです。GタイプはPFAサイトグラスホースで、内層が半透明のためガラス製サイトグラスの代わりになります。乳製品・食品の分野でよく使われ、薬液配管の目視確認部としても使えます。
主な特長
- Rタイプ:高純度PFA内層をスパイラルステンレス線と編組布で補強し、外層は緑色のゴムです。-50 ~ +100 °C、-0.9 ~ 10 barで真空にも対応し、溶出物が極めて少なく、耐酸・耐アルカリ性、耐薬品性、耐蒸気性を備えます。
- Gタイプ:半透明で平滑なPFA内層をステンレス製保護スリーブで覆っています。-30 ~ +100 °C、0 ~ 10 bar、FDA・USP対応です。ガラスを使わないため、サイトグラス破損のリスクがありません。
- 両タイプとも内面粗さは Ra 0.4 ~ 0.8 µm で、ご要望の長さに切断し、両端の継手を組み付けます。
Rタイプのステンレス線はスパイラル状に巻かれており、負圧下でも断面を円形に保ち、曲げたときにつぶれにくくする役割があります。真空引きやポンプ吸込側で重要になるのがこの層です。
選定のポイント
| 項目 | R 電子グレードPFAライニングゴムホース | G PFAサイトグラスホース |
|---|---|---|
| 呼び径 | 3/4"、1-1/2" | 3/4"、1"、1-1/2"、2"、2-1/2" |
| 設計温度 | -50 ~ +100 °C | -30 ~ +100 °C |
| 設計圧力 | -0.9 ~ 10 bar(真空対応) | 0 ~ 10 bar |
| 外層 | スパイラルステンレス線+編組布補強、緑色ゴム | ステンレス製保護スリーブ |
| 継手 | ヘルール、フランジ、ねじ込み | ヘルール、ねじ込み |
| 適合 | 電子グレード、溶出物が極めて少ない | FDA、USP |
| 選ぶ場面 | 半導体の薬液移送、ポンプ吸込側など負圧となる箇所 | 流体を目視したい箇所、ガラス製サイトグラスの代替 |
温度には特に注意が必要です。ホースの上限は+100 °CでPFAライニング継手の+150 °Cより低いため、配管全体の温度条件はホースに合わせて決めます。固定配管で流体を確認したいがホースの温度範囲を超える場合は、PFAライニングヘルール継手のホウケイ酸ガラス製サイトグラス(SG)を使います。ホースと硬質配管の接続部はPFAライニングホースアダプターをご覧ください。
使用と交換
取り付け時にホースをねじらず、許容曲げ半径(数値はお見積もり依頼時にご確認ください)より急に曲げないでください。PFA内層に折れ癖がつくと、そこから割れや浸透が始まるおそれがあります。ホースは配管の重量を負担する部品ではないため両端を支持し、大きな芯ずれの吸収にも使わないでください。
日常点検では外層を確認します。Rタイプはゴム外層のひび割れや膨らみ、Gタイプはステンレス製保護スリーブの素線切れや変形、そして継手部のにじみの有無です。ホースは使用期間とともに劣化する部品のため、定期点検と交換の計画に組み込むことをお勧めします。


