プロセス上の位置づけ
このシリーズのフランジチーズとレデューサーは、半導体工場の薬液供給システム(CDS)の移送配管や、ディスプレイ・太陽電池のウェットプロセスラインの超純流体配管に取り付け、配管の分岐と径変換を担います。こうした箇所の配管の多くはフランジ接続のライニング鋼管です。外側の金属が管路の圧力や支持荷重、衝撃を受け持ち、内側のPFAが薬液を金属に触れさせません。
チーズやレデューサーは脇役に見えますが、流れの向きや流速が変わる箇所であり、施工時の芯ずれや熱膨張・収縮でライニングに応力がかかりやすい箇所でもあります。配管全体の接液面をフッ素樹脂でそろえるなら、これらの継手のライニングも直管やバルブと同じ水準が必要です。
主な特長
本体はSUS316L製で内面に高純度PFAをライニングしており、接液面はPFAのみ、イオン汚染はきわめて少なく抑えられています。耐酸・耐アルカリ性、耐薬品性、耐食性、耐蒸気性を備えるため、薬液ごとに材質を使い分ける必要がなく、同じ継手を多くの薬液に使えます。
- 設計圧力は真空 ~ 1.0 MPa(20 °C)で、吸引や排液時の負圧も定格内です。
- 設計温度は -30 ~ +150 °C で、高温の薬液や蒸気にも対応します。
- PFA原料は清浄度の要求に応じて、国際的な一流メーカーの超高純度グレード、またはコストパフォーマンスに優れた高純度グレードを指定できます。材質証明書を提供でき、FDAにも対応しています。
選定のポイント
まず接続形式を決め、それから形式を選びます。フランジ継手はフランジ主体の固定配管や機器接続口に適しています。配管がヘルール方式の場合や、頻繁に分解洗浄する場合は、PFAライニングヘルール継手をご覧ください。
| 項目 | 等径チーズ(T) | レデューサー(RC) |
|---|---|---|
| 用途 | 同径配管の分岐・合流 | 主管から小径の分岐管や機器接続口への径変換 |
| 呼び径 | DN15、DN20、DN25、DN40、DN50 | DN80 × DN40、DN80 × DN20、DN50 × DN40、DN50 × DN25、DN40 × DN25、DN25 × DN20 |
| フランジ規格 | HG/T 20592 | HG/T 20592 または JIS 10K |
| 圧力/温度 | 真空 ~ 1.0 MPa(20 °C)/-30 ~ +150 °C | 真空 ~ 1.0 MPa(20 °C)/-30 ~ +150 °C |
フランジ規格は接続先の配管・機器と一致させる必要があります。HG/T 20592とJIS 10Kはボルト穴配置が異なり、混用できません。日系の機器は多くがJIS 10Kのため、ご発注前に機器の図面や銘板をご確認ください。
使用と交換
ライニング継手のフランジシール面はPFAのため、取り付け時に工具で傷を付けないようにします。配管の芯を合わせてからボルトを締め、芯ずれした配管をボルトで無理に引き寄せないでください。芯ずれの応力は結局ライニングに集中します。ボルトは対角の順に数回に分けて締め付けます。樹脂のシール面は熱サイクル後にわずかにクリープするため、初回の昇温運転後に一度増し締めすることをお勧めします。
ガスケットの選定は配管仕様に従いますので、お見積もり依頼時にお知らせください。日常点検ではフランジ周縁のにじみ跡や、外殻の変色・錆の有無を確認してください。これらはライニングが浸透または損傷しているサインであることが多いためです。


