プロセス上の位置づけ
タンクと撹拌翼は、薬液系統の中で接液面積が大きい設備です。薬液がタンク内にとどまる時間は配管内よりはるかに長く、撹拌中は翼の表面が絶えず流体にさらされます。配管をすべてフッ素樹脂にしても、タンクが一般的なステンレス鋼のままでは、金属バックグラウンドはタンク内で再び上がってしまいます。
本シリーズのタンクはSUS316Lに高純度PFAをライニングしたもの、撹拌翼はSUS316L本体を白色のPFAで被覆したもので、いずれもご要望と図面に基づいて特注製作します。半導体の薬液供給システム(CDS)、ウェットプロセスの超純流体、ディスプレイ(FPD)・太陽電池のウェットプロセス、製薬プロセスでの調合・一時貯留に適しています。
主な特長
- 内側はPFA、外殻はステンレス:SUS316Lが構造強度を、高純度PFAライニングが接液面の清浄性を担います。ヘルール(Tri-Clamp)接続、PFA製ガスケットを採用しています。
- PFA被覆撹拌翼:SUS316L本体が剛性を確保し、外側を白色のPFAで被覆しています。シャフトとハブの接合方法によって接合部で流体に触れる材質が決まるため、お見積もり依頼時に図面でご確認ください。
- 図面に基づく配置:容量はご要望に合わせて特注し、上部ノズル、側面サイトグラス、底弁、脚部は図面に合わせて配置します。
- 使用範囲:酸・アルカリ、各種薬液、蒸気に耐え、タンクは-30 ~ +150 °C、真空 ~ 1.0 MPa(20 °C)、FDA適合です。PFA原料は清浄度の要求に応じて、国際的な大手ブランドの超高純度グレード、またはコストパフォーマンスに優れた高純度グレードを指定でき、材質証明書を提供できます。
選定のポイント
特注設備では、次の項目が設計の方向性を決めるため、お見積もり依頼時にあわせてお知らせください。
| 項目 | 確認する理由 | ご提供いただきたい情報 |
|---|---|---|
| 流体と濃度 | PFAライニングで十分かを判断し、浸透性の高い流体は別途評価 | 薬液名、濃度、粒子の有無 |
| 使用温度・圧力 | 温度が高いほど許容圧力は下がり、真空運転も考慮が必要 | 通常時と上限条件の温度・圧力 |
| 容量と設置スペース | タンク寸法と脚部の高さを決める | 有効容量、設置スペース |
| ノズル配置 | 受け入れ、払い出し、通気、サンプリング、液面計測に必要なノズルとその位置 | ノズル一覧または略図 |
| 撹拌の要否 | 撹拌翼の形式とシャフトの接続方法を決める | 撹拌の目的、流体の粘度 |
タンク周りのバルブ類も本カテゴリーからまとめて選べます。底部からの払い出しにはPFAライニング・タンク底ダイヤフラムバルブ、サンプリングにはPFAライニング・サンプリングバルブ、通気口にはPFAライニング・ヘルール式ベントブリーザーをご使用いただけます。接続仕様は図面とあわせてご確認ください。
使用と交換
ライニングタンクで特に注意すべきは機械的な損傷です。工具、撹拌翼、付属品が内壁に当たるとPFAライニングに傷やへこみが残り、粒子の付着や薬液の浸透の起点になります。撹拌翼や内部付属品の取り付けは特に慎重に行い、洗浄時には硬いブラシの使用を避けてください。
温度が高いほどPFAライニングが耐えられる圧力は下がり、真空運転や頻繁な熱サイクルはライニングへの追加の負担になります。お見積もり依頼時に実際の条件をお知らせください。タンクに取り付けるバルブ、サイトグラス、継手にはそれぞれ定格があり、装置全体ではそのうち低い定格に合わせる必要があります。


